さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[6]推理・思考に関する問題(2)
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「めぇでる教育研究所」発行
2021さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
第36号
現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
[6] 推理・思考に関する問題(2)
【説明会報告】
昨年は花粉症のため、星美学園小学校の幼児教室関係者対象の学校説明会へ参
加できませんでしたが、その時の様子を紹介しておきましょう。
急勾配の師団坂を上りきったところにある学園正門横には、「子ども安全まち
づくり」の宣言の下に、「みんなの あんぜん あいことば」として「いかの
おすし」のポスターが掲げられています。これは防犯用語で、「いか」は「い
かない(知らない人についていかない)」、「の」は「乗らない(知らない人
の車や誘いに乗らない)」、「お」は「大きな声で叫ぶ」、「す」は「すぐ逃
げる」、「し」は「知らせる(何かあったらすぐ大人に知らせる)」の頭文字
をとったもの。東京都教育庁と警視庁少年育成課が考えたもので、平成16年
から防犯用語として使用されているそうです。近所の小学生に聞いてみました
が、知っていましたね。説明会とは関係ありませんが、小さな子どものへ犯罪
は、何としても防ぎたいものです。
説明会では、「入試に向けての留意点」について、
【毎日の生活から】
よく見る力 物事をじっくり観察させる。
しっかり聞く力 話を最後まで聞かせる。
よく考える力 「なぜ」の疑問を大切にする。
集中して物事に取り組む力 途中で投げ出さず、最後まで取り組ませる。
興味をもつことを大切にする。
【社会性に関して】
人との関わり方→集団生活に大切な力
・集団の中で友達と関わることができるか。
・ルールや指示を守ることができるか。
・指示者の話をしっかりと聞けるか。
毎日の生活の中で人との関わりを大切にする。
【基本的な生活習慣に関して】
挨拶 明るく元気よく
返事 よばれたら、すぐに「はい」
生活習慣 使ったものは片づける。たたんでしまう。
責任感 決められたことは、最後まで行う。
思いやり 友達と仲良く遊ぶ。人の痛みがわかる。
公共性 社会の一員としての自覚(公共施設での態度、物の使用など)
非認知能力を高める。
の説明がありました。現時点でお子さんはいかがですか。チェックしてみまし
ょう。
※非認知能力とは、IQに関係なく、「意欲」「協調性」「粘り強さ」「忍耐
力」「計画性」などの個人の特性で、幼児期から育成していくことが重要と
言われている。 (conobie HPより要約)
[図 形]
重ね図形、回転図形、対称図形などですが、かなり難しいですね。問題集を買
ってきて、「さぁ、やるぞ!」方式は失敗しがちです。まず、お母さんがやっ
てみましょう。やってみるとわかりますが、折り紙やセロハン紙、それとA4
位のビニールでできている袋や書類入れ、画用紙などを用意しておくと役に立
ちます。遊びの感覚を忘れないことが大切で、特に女の子は、推理の問題を苦
手としがちですから注意しましょう。
★重ね図形
2枚の絵を重ねるだけですから問題なさそうですが、何事も実験することが大
切です。
1枚の紙にひまわりの花を描いて、それを透明な書類入れに挟み、今度は茎と
葉っぱを、その上に描かせます。
書類入れに挟んだ紙を引き出して比べると、2枚の絵に分かれていることがわ
かります。
これを理解した後に、自分の好きな絵を、同じ要領で描かせます。
面白がって描くはずで、上下左右、そのままに重なることがわかれば問題ない
でしょう。
★回転図形
言葉で説明すると、難しいですね。
こういった矢印[↑]を描いて、時計回りで実験すると、わかりやすいでしょ
う。
↑ → ↓ ←
A B C D
A がお手本です。これを90度回すとBになり、Bを90度回すとC になり、
Cを90度回すとDになり、Dを90度回すとAに戻るわけです。
もちろん、幼児の世界ですから、90度といっても理解できません。ですから、
90度、1回転は「カタン」で、180度、2回転は「カタン、カタン」と繰
り返します。回転図形にはかなり難しい問題がありますから、理解できるまで、
こういった矢印や上下の形が違っているものを使って、子どもと一緒にゲーム
の感覚でやることです。チューリップの花などを描かせてやってみるのも、い
いでしょう。
問題によっては、錯覚を起こしやすいですから、その場合は切り抜いて、条件
に合わせて動かし、どのように変化していくか、その様子をしっかりと確かめ
させましょう。大切なことは、上下、左右がどうなるかを見極めることです。
プリントをぐるぐる回す子がいますが、初めのうちはいいのですが、これが習
慣になると、推理する力はつきません。ただ、変化する様子を見つけているだ
けです。
この種のテストの目的は、推理・思考する力が、年齢にふさわしく培われてい
るかを判定する問題ですから、仕掛けが理解できれば、プリントを回すことは
やめて、考える力を養いましょう。
★対称図形
正直にいって難しいです。
大人でも音をあげたくなる問題があります。問題集先行型は失敗しがちです。
折り紙の出番ですね。はさみも使いますから、手先も器用になります。1枚の
折り紙を半分に折った背の側(山折りになっている側)に、図形などが描かれ
ており、それを広げた場合にどうなるか、それを推理する問題です。
半分に折った折り紙に、何回も描いては切る、この実験を繰り返し、対称を理
解することですね。
折った背の側に描かなければ、形はできてもバラバラ事件になります。まず、
これに気づかせます。雪だるま、クリスマスツリー、チューリップなど左右が
対称の絵から始めて、図形に移っていくのが無理のない方法です。
マスターできたら、四分の一に切った折り紙を使い、いろいろな対称図形を切
り取り、その両方をスケッチブックに貼りましょう。この貼り方にも、工夫が
必要です。
「手は第二の脳」でも詳しくお話しましたが、糊の使い方は難しいものです。
最初は、折り紙の上部左右の二ヶ所に、切り取ったものには上のところの一ヶ
所に、ほんの少しだけ糊を付け、貼る練習をしましょう。
繰り返し練習をすることで、糊の適量も、全体に薄くのばすこともわかってき
ます。これは、とても大切な作業ですから、家でしっかりと身につけてくださ
い。こういったことまで教室で指導を受けるのは、時間の無駄遣いと考えまし
ょう。
うまく貼れない場合は、箸の使い方、ボタン掛けなどの基本的な生活習慣にも、
影響が出ているのではないでしょうか。繰り返しますが、幼児の手作業は、脳
と運動機能の連携作業であることを思い出してください。制作の問題で、のり
を使うケースもあります。使い終わって手を拭く指示もあります。出題の意図
は、どこにあるか、明確ですね。
難しい問題もありますが、これも実験で克服できます。
半分に折った画用紙と、はっきりと色のつくクレヨン、赤色か黒色を用意しま
す。
折った画用紙の左側中央に矢印←を描いて、しっかりと色を塗ります。
そして、上の左端に三角▲、下の折り線のそばに四角□■を書きます。
きちんと塗らないと実験は成功しません。
そして、点線から半分に折って重ね、上からゴシゴシと擦ります。
これも、しっかりと擦らないと写りません。
そして、ひろげます。
まったく逆向きになるはずです。
矢印は→、上の左端の三角は右端に、下の□■は■□と、これも逆になってい
ます。
折り線に近い■は、逆になっても線に近く、線から遠い□は線から離れていま
す。
この実験で、位置や向きが逆になることを確かめて、問題に挑戦しましょう。
難しい問題は、半分に折った紙に、黒色か赤色で問題と同じように線を引き、
重ねて擦ります。
そして、どのようになったかを、子どもに説明させましょう。
口でいえないときは、まだ十分に理解していませんから、再び、実験です。
同じことですが、半分に折った紙に矢印を描き、カッターなどで切り、広げて
みましょう。
左右が逆になっていることを確かめられます。
手先も器用になりますし、後で出てくる巧緻性にもつながっていきます。
これを十分に理解してから、問題に取り組みましょう。
「右側に折って重ねるのだから、左と右が逆になるの!」
こんな乱暴な説明をするお母さんはいないと思いますが、言葉だけで説明して
も、わかりません。
まだ、左右の弁別もあやしいのですから、とにかく、実験を繰り返すことで
す。
スタンプの問題や湖に映った逆さ富士のように、水に映るとどうなるかといっ
た問題と一緒です。特に、スタンプの問題は、大人でも錯覚しやすいですから、
しっかりと実験をし、どのように変化するかを見極めることが大切です。
推理の問題は、いきなり問題集でやるのは、やめた方が賢明で、いたずらに混
乱するだけではないでしょうか。まず、ご両親で学習し、理解をしておくこと
ですね。そして、実験、実験の繰り返しです。実験は、疑問を解決する楽しい
学習であり、遊びの感覚で取り組めますから、子どもたちも喜ぶはずです。
このことを忘れないでほしいですね。
春休みの講習会が始まります。会員の方は、11月からの学習を確かなものと
し、さらなる飛躍へ。4月から通会を予定されている皆さん方は、「最初の一
歩を確実に」するために、講習会から始めることをお勧めいたします。頑張り
ましょう。
3月3日の暁星小学校のホームページに、開催される新入生保護者会のことが
出ていましたが、各教室ではなく、講堂で、マスク着用、席も一人ずつ開けて
座るとなっていましたが、入学式はどうなるのでしょうか。桜の開花が早いよ
うですが、コロナの終息も一日でも早く迎えてほしいですね。
(次回は、「推理・思考に関する問題(3)」 についてお話しましょう)