さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の選び方(2)
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「めぇでる教育研究所」発行
「2019さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第34号
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幼稚園の選び方(2)
前回は、「幼稚園の選び方9つのポイント」を紹介しましたが、今回は、そのチ
ェックの方法についてお話しましょう。
9つのポイントを、以下のように並び替えてください。
(9) お子さんの長所と短所
(8) ご家庭の教育方針(保育の姿勢)
(7) 志望理由
(6) 健康状態
(5) 通園距離と所要時間
私たちの子どもには、こういった長所がある反面、こういった短所もある。
それは私たちが、こういう家庭の教育方針で育ててきたからだ。
そこで、いろいろな幼稚園を調べてみると、○○幼稚園の保育の方針と、よく
似ているところがある。
30分ほどかかるけれど、心身共に通園できるだけの成長をしているだろうか。
送迎は、家内が担当できる。
(もし、保護者のいずれかが送迎できない場合は、依頼できる人がいること)
また、昭和学院幼稚園のように、正課の保育で英語教育を取り入れているとこ
ろもあり、課外保育でどういったことをやっているかも注意しておきたいもの
です。
そして、将来、どういった教育環境の学校を選ぶかについては、以下の条件か
ら検討してみましょう。
(1) 一貫教育制度
(2) 共学制度
(3) 別学制度
(4) 宗教教育
共学で大学までを希望すれば、学習院幼稚園(中高は別学)、成城幼稚園、桐蔭
学園幼稚部など。
共学で高校までを希望すれば、森村学園幼稚園、日出学園幼稚園、昭和学院幼
稚園(短大があります)など。
幼稚園は共学、小学校から別学で大学までを希望すれば、日本女子大学附属豊
明幼稚園、川村幼稚園など。
宗教教育で、共学で大学までを望むなら、青山学院幼稚園、玉川学園幼稚部、
淑徳幼稚園、聖学院幼稚園(中高は別学)など。
別学を望むなら白百合幼稚園、幼稚園には若干名男の子もいる東洋英和幼稚園、
湘南白百合学園幼稚園など。
高校までの一貫校で別学を望むなら、田園調布雙葉小学校附属幼稚園、幼稚園
は共学ですが男子では暁星幼稚園、女子では雙葉幼稚園、光塩女子学院幼稚園
など。
小学校まで共学、中高は別学となれば桐朋幼稚園、宝仙学園幼稚園。
幼小一貫教育で中学受験となると国立学園附属かたばみ幼稚園、聖徳大学附属
幼稚園(男子)。
ところで、併設校のない幼稚園で、名門小学校への進学実績を上げているとこ
ろもたくさんありますから、説明会へ参加され、きちんと情報をつかんでおく
ことをお薦めいたします。
以上の条件から、幼稚園選びが出来上がるはずです。
これは、あくまでも理想ですから、こういった観点からお子さんに相応しい幼
稚園を選んであげる参考資料としてお考え下さい。
しかし、(6)から(9)までが、きちんと出来上がっているか、あるいは、将来の
設計図として描かれたものがない場合、幼稚園選びは、お子さん中心とはなっ
ていないと思います。
勿論、これからどんどん成長していく2、3歳児のことですから、まだ、明確
に表れていないところがたくさんあると思いますが、キーポイントは、やはり、
ご両親の育児の姿勢ではないでしょうか。
「どういった子どもに育ってほしいか」といった青写真が描かれていれば、実
現のために環境を整え、育児に専念していると思います。
小学校受験の場合に、「はじめに学校ありきではなく、ご両親の育児の姿勢あり
き」であるべきだといっていますが、幼稚園選びも、「はじめに名門校附属の幼
稚園ありき」ではなく、「ご両親の育児の方針ありき」であるべきだと思います。
名門という名前だけにこだわるようでは、うわさなどに惑わされ、いわゆる「受
験地獄」なるものに陥りかねませんから、慎重に選んであげてほしいのです。
明治時代の話ですが、文部省から高等小学校(現在の5,6年生)の家庭に配
布された「家庭心得」に、「教育の道は家庭の教えで芽を出し、学校の教えで花
が咲き、社会の教えで実がなる」とありますが、正に「はじめにご家庭の育児
の方針ありき」ではないでしょうか。
昨年4月に亡くなられた「渡部昇一先生追悼号」(月刊Hanada)に寄せられた
藤尾秀昭、致知出版社長の「渡部昇一先生と私」に出ていたのですが、先生の
ご母堂の教育方針で、尊敬してやまない愛読者の一人として、今まで気づかず、
恥ずかし限りでしたが、間違っていなかったと確信しました。(感謝)
ところで、問題は、通園時間と通園方法でしょう。
ここで紹介した幼稚園では、ほとんど通園バスはありません。
送迎は、保護者の役目です。
最初は、みなさん、真面目に、お子さんの手を取って通われるそうですが、そ
うでない場合もあるようです。
慣れてくると、自家用車で送迎が始まるそうです。
説明会で、傑作な話を聞いたことがあります。
かなり年月がたっており、園長さんも引退していますから、紹介してもさしつ
かえないでしょう。こういうことです。
「子どもさんは、本当に嘘がつけないのですよ。ある時から、私がその子のそ
ばに行くと、何となく落ち着かなくなり、ちらっと見ては、視線を外すのです。
『○○ちゃん、どうしたのかな?』
と声をかけると、本当に、いいづらそうに、こういったのです。
『先生、ママはいってはいけないといったのだけど、今、お車で通っているの。
本当はいけないのでしょ?』
『あら、いつも、ママと手をつないできているではありませんか』
『車を預けて、そこから歩いてくるの……』
近所にある駐車場に止めてくるのですね。
それが、お子さんの心に、大きな負担となっているのでした。
なぜなら、私どもの幼稚園は、ミッション系ですから、『嘘を言ってはいけませ
ん』と教えています。
お母さまがこの約束を破っているわけですね。
幼稚園の先生も好きだけれど、まだ、ママが大好きな時期です。
お子さんの気持ちを考えてあげるお母さまなら、こういったことは絶対になさ
らないはずです」
慣れてきても、こういうことは、やめるべきです。
何のためにミッション系の幼稚園を選んだのでしょう。
これでは、宗教教育に、何にも期待していないことになりませんか。
宗教教育を基本とする幼稚園を選ぶ場合は、こういったこともきちんと守って
登園するお母さんでなければ、幼稚園の教育方針は生きてきません。
無理な通園時間から、教育の方針を守れないようでは、何のための受験だった
のでしょうか。
こういったこともきちんと考えて、選んでほしいと思います。
お子さんは、通っている教室の講習会などを通して、いろいろと体験学習を積
んでいかれることと思います。
お子さんの受験準備については、それぞれの幼児教室の先生方にお任せして、
次回からは、面接試験で考えられる、いろいろな場面を想定して、どのように
対応すればよいかについて、お話しましょう。
なお、入室から退出までの留意点は、拙著の「面接 ここがポイント」(めぇで
る教育研究所 刊)を参考にしていただければ幸いです。
天災は予測不可能ですが、備えだけはしっかりとやっておきましょう。防災グ
ッズ用意されていると思いますが、電池や食べ物、水などのチェックもお忘れ
なく。
(次回からは、面接ケーススタディーを紹介しようと思います)