さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よく聞かれる質問にお答えします
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「めぇでる教育研究所」発行
2019さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
第25号
現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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よく聞かれる質問にお答えします来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
12月8日号より)
ところで、長男が小学校の2年生頃だと記憶しているのですが、どうやら、友
達から知恵をつけられたらしく、「今日は、お父さんと寝る!」といって私の
ベッドに入り、ドラえもんシリーズの漫画本を数冊持ち込み、中々、眠りませ
ん。「サンタは、お父さん!」を確かめたかったようですが、やがて、睡魔に
襲われ眠ってしまいました。朝、自分のベッドにプレゼントが配達されている
のを見て、「やっぱり、お父さんはサンタじゃなかった!」と、何故か納得し
ていました。この頃が、無邪気で可愛いですね……(笑)。
今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。
Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」
A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、
はいはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩
けるようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことによ
り習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにある
といえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせ
られているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚
えている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。
『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」
Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」
A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ていま
すが、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できな
い相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応
しなければならない
のです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に対応しな
ければ、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれるまでもなく、ご家庭でもサインは出ているはずで
す。まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習してい
るのです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回言っても改まらないで
しょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を
持っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだから
です。」
Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」
A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長
するように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでし
ょうか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』というこ
とはないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっ
きりさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶すること
で表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切な
ことですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なく
なりますから。」
Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」
A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想を言えない
のは、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』と
いった話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白
かった本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないで
しょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学
んだのですよ』と、お母さん自身の感想を言うのは、いいのではないでしょ
うか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」
Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」
A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など
物語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住
んでいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、
どのように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかり
やすく構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめ
られます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表
れてきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には
涙ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考
えられます。
ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した
様々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性とい
った集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎
となっているからではないでしょうか。
ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。皆さん方はお子さんに、この5つの
昔話のあらすじを話すことができるでしょうか」
蛇足ですが、暁星小学校の「鍛える教育」について、佐藤正吉前校長は説明
会で、目標は日本昔物語のキャラクターでもある「気は優しくて力持ち」と
おっしゃっていました。なお、佐藤前校長は、現在、幼稚園の園長として活
躍中です。
Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」
A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のス
テップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」と言ってしまうと、お子さんの自尊心は傷
つき、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自
力でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解で
きなければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的
には本の嫌いな子になりかねません。
ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアッ
プにつながるのです。3月生まれお子さんの場合、1年近くの差があるので
すから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思
います」
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)
今回が今年最後の配信になります。ご愛読頂きまして有難うございました。
来年も一緒に頑張りましょう。良いお年をお迎えください。
めぇでる教育研究所 所長 藤本紀元