さわやかお受験のススメ<小学校受験編>建学の精神、教育方針の理解の仕方 (2)
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「めぇでる教育研究所」発行
2018さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第63号)
年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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建学の精神、教育方針の理解の仕方 (2)前回、千葉県の2校を説明しましたが、「国府台女子学院小学部もお願いします」とメールをいただきました。6月30日配信の第52号で、「志望理由の決め方(2)」でお話ししましたが、まだ購読されていない方でしたから、聖徳大学附属小学校と千葉日本大学第一小学校を加え、再度紹介いたします。国府台女子学院小学部国府台女子学院のことを、千葉の白百合学園とさえおっしゃるお母さん方がいます。小学部の入学試験の難しさといい、大学への進学状況を見ても、「さもありなん」と思わざるをえないほど実績を上げています。価値観が多様化し、社会全般が「エニシング・ゴーズ、何でもあり」の風潮を歓迎するムードがありますが、そういったウイルスに感染することなく、小さい頃から一つの価値観に基づいた教育を受けさせたい、そう考えるご両親が増えていることも事実です。仏教に基づく教育を行い、女子だけの、高校までの一貫教育校です。月毎に行われる仏教行事は、本学院の校是である「敬虔・勤勉・高雅」を身につけるための、貴重で重要な教養、教化となっています。「教養は、徳をみがき、人格を高めること」で、「教化は、キョウゲと読み、人を教え、よい影響を与えて善に導くこと」だそうです。となると、校是である「敬虔・勤勉・高雅」を、どのように解釈するかが問題になってきます。たいへん難しい言葉ですが、わたくし流に考えると、こうなります。「敬虔」は、仏につつしんで仕えることから、深く敬って態度をつつしむさま。「勤勉」は、勤めて骨を折ることから、何事も一所懸命。「高雅」は、気高く、雅(みやび)やかなことから、だれからも愛される気品。このように置き換えてみると、わかりやすいのではないでしょうか。「つつましく、一所懸命に頑張る、心のやさしい子」といった子ども像が浮かんできます。そういった子どもに育ってほしいと考え、育児の基本にしているご両親であれば、学校の教育方針と一致していることになります。学院のHP(教育理念)もぜひ一読してください。以前、教育理念を俳句もどきに、ひたむきで つつしみぶかく みやびやかなどとお母さん方に紹介したことがありました(笑)。24年の説明会は、小学部、改築中のため中高の校舎内で行われ、そのおかげで素晴らしい「慈母観音像」を拝することができ、何とも優美なお姿に、しばし見とれてしまいました。25年の説明会は新装なった寿光殿(講堂)で行われましたが、ホールは中高の校舎と直結しているため、またしても、慈母観音像にお会いできました。説明会に参加すればお会いできる、「七夕の彦星ではないですか」と無礼を省みず思ってしまいました。こんなことを言っては罰が当たるかもしれませんが、まさに、「控えめで 慎み深く 雅やか」でした(笑)。余談になりますが、広隆寺(京都)や中宮寺(奈良)の弥勒菩薩を始め、日本の仏像の優しいお顔と優美なお姿には、お粗末な言葉ですが、心が和みます。ある年の説明会で、平田史郎学院長は、不作法で言葉遣いの乱暴な者を評して、「訓練されていない個性は野性である」とおっしゃっていました。創立記念日に招かれ、講堂に案内されたとき、左手に数珠を持ち、私の左側に、腰をかがめながら先導してくれた、児童のその姿が何とも優雅であったことが印象に残っています。また、1年生が、きちんと挨拶をするのにも驚かされました。宗教教育は、形から入って心を作っていくものと思っていましたが、納得したものです。女子だけの環境については、「女子だけだからいいのです。女の子しかいないので、男子のする仕事までやることになり、体験の幅が豊かになります」といわれ、共学にする予定は、まったくないと断言しています。今年の説明会でも、女子の理系に進む「リケジョ」現象は、右上がりで進んでいることを、入学実績をあげ指摘していました。こういったことをヒントに、「宗教教育」「女子だけの教育環境」「高校までの一貫教育制度」に期待することをまとめてみましょう。聖徳大学附属小学校中学から女子校ですから、男子は、受験することになります。かなりの進学実績をあげていますから、充実した進学体制をあげても良いのではないでしょうか。幼児教室対象の説明会でも、外部の優秀な指導者を招いていると聞いたこともあります。最近、聖心女子学院初等科をはじめ、学童保育やアスタースクールが盛んですが、本校の大きな特徴として、車でのお迎えを容認していることでしょう。ただし、学校の前の道路は狭いですから、いろいろと制約があるようです。お仕事を持っているお母さん方には強い味方になるのではないでしょうか。校名の聖徳の由来は、聖徳太子の道徳や礼節などに対する思慮の深さを教育の基礎とし、豊かな人間づくりを実現したい思いから。読み方を変えたのは、聖徳太子に深い尊敬の念からで、「しょうとく」と読むのを控え「せいとく」としたそうです。「思いやりと、礼を尽くす、こまやかな心を学ぶ」を目指す小笠原礼法宗家の指導による礼法教育、明和班、全校生が一緒に食事をする「食堂(じきどう)」など、学園の「礼節」「知育」「勤労」の3つの教育方針について、どのように期待するかをまとめてみましょう。女子の場合は、中高を別学で過ごし、大学で共学も可能です。礼法教育は、1年生から6年生まで、年間指導計画があり、電車の中で化粧をしている女性や、歩きながら物を食べている無作法者に見せたいほど、日本古来の文化が伝承されている学校です。これも欠かせない志望理由になるのではないでしょうか。千葉日本大学第一小学校創立時は男子だけの別学でしたが、平成8年4月から共学校になり、大学までの一貫教育校です。共学が自然で、受験を考えなければ16年間のゆとりのある教育環境で、自分の進む道を、ゆとりを持って学べることでしょう。本校の児童は、一定の内部進学規定を満たすことで、学園の2つの中学校へ約70%、2つの高校へは90%以上、そして大学へは60%の生徒が進んでいます。(29年9月のHPより)本校の校訓「真(まっすぐに) 健(すこやかに) 和(なごやかに)を、わたし流に、心を表す言葉として考えると、 真は「飾り気のない、偽りのない心」 健は「すこやかな精神」 和は「おだやかな心」となりますが、いかがでしょか。本校の特色として、「学習習慣の定着と学力向上」とありますが、年間の授業時間数は、本校は13教科で6676時間、公立校は5645時間と、かなり多いこと。また、創立以来、英語教育に力を入れていること。そして、縦割りグループによる学年を超えたユニークな「さくら活動」でしょう。こういったことからまとめてみましょう。2回に分けて、「私学の建学の精神、教育方針の理解の仕方」について、「おとうさん、おかあさんの受験対策」(めぇでる教育研究所刊)からピックアップして紹介しましたが、これは、あくまでも「わたし流の考え」にすぎません。こういった解釈を情報として公表するのには、少し、心配があります。それは、幼稚舎が作文を止め、面接を廃止した理由が、あまりにも「傾向と対策化されている現状から意味がないと判断したから」とおっしゃったことと同じ理由からです。一つの考え方、ヒントとしてお読みいただき、ご自身の言葉でお話しできるようにしていただきたいと、老婆心ながらお願いしておきたいと思います。(次回は「後半の説明会より 成蹊小学校、暁星小学校」を予定しています)