さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>養ってほしい数感覚 2
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「めぇでる教育研究所」発行
2019さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
第10号
現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★養ってほしい数感覚 2 ★★
[アバウトから正確に]
さて、何回も続けていく内に、お子さんは、たとえば10と5では、10の方
が多いとわかると、今度は数字で多少の判定をはじめます。
そこまでわかってきましたら、「では、いくつ違いますかゲーム」に切り替え
ましょう。
ゲームのやり方は、同じです。
最初は、同じマークから始めましょう。
1枚ずつカードをめくり、お子さんが8、お母さんは3が出たとします。
お子さんは、「ぼくの勝ち!」と宣言して、その違いを調べます。
この場合も、[8-3=5]ではなく、数の少ない方のカード[3]を覚え、
数の多い[8]のカードのマークを3個、指で押さえて隠します。
そして残ったマークを数え、「ぼくの方が5個多い」と、必ず、言葉で判定結
果を言うようにします。
今度は、お子さんのカードが4、お母さんのカードが7で、お母さんが勝った
場合も、「ぼくの負け!」とお子さんに宣言をさせ、お母さんのカード[7]
を使い、4個を指で押さえ、残ったマークを数えて、「ぼくの方が3個少ない」
とお子さんに判定させ、結果を言うようにします。
お母さんは、一切、言葉をはさむ必要はありません。
正解の場合は「ピン、ポン!」、間違った場合は「ブッ、ブー!」と警告する
程度にし、ゲームの進行は、お子さんに任せます。
このゲームは、正確に「いくつ違うか」を判定するものですから、スピードは
必要ありません。
先程も触れましたが、[10と9]、[8と7と6]のカードでは、マークの
配列が[4と3]の違いに気づけば、どこをどう押さえて隠せばよいかもわか
り、真ん中のマークの数だけで判定できるようになると、自然とスピードアッ
プしますが、答えは、必ず、口頭でキチンと言えるようにします。
4種類のカードをまぜてやるのは大変ですから、2種類、10回戦で十分です
が、お子さんが希望する場合は挑戦してみましょう。
これができるようになれば、次に同じマークのカードを4枚並べ、「一番多い
ものと少ないもの」を見分けるゲームをやってみましょう。
指でさして、答えさせます。
これも直感で判定させたいのですが、ここまで、かなりゲームの量をこなした
ことになりますから、数字とマークの数の関係で、わかるお子さんも出てくる
でしょう。
例えば、[5、3、7、9]のカードが、並んだとします。
「9が一番多くて、3が一番少ない」
と、数字でいえるようになれば、もう、カードでのゲームは、卒業してもいい
でしょう。
ところで、数字は抽象的ですから、数詞がつかなければ、幼児には具体的な数
は、わかりにくいものです。
[1]といってわからないことでも、「りんごが1個」となると、頭にりんご
が1個浮かび、具体的な数を把握できるわけです。
トランプは、5のカードであれば、数字の5とマークが5個ありますから、抽
象的な数字をマーク5個で具体的に表しています。
小学校の入試では、数字を使った計算はやりません。
ですから、1は○が1個、2は○が2個、10は○が10個であることが理解
できれば、十分なのです。
数の多少がわかれば、トランプでのゲームを卒業し、数字のない遊びへ進みま
す。
しかし、お子さんがゲームを面白がるようでしたら、楽しみながら続けてあげ
ましょう。
ここまで進むと、数字を書きたいお子さんも出てくるでしょう。
その場合、[0・5・7・8・9]の書き順を、きちんと教えてください。0
は左上から左回りで書き、下から右回り、時計回りで書くのは○(マル)です。
8は〇を2個縦に書きがちで、自己流で覚えてしまうと、直すことになります
から、小学生になってから苦労します。
そして、数字を覚えても、問題集や模擬テストなどでは、「絶対に数字を使っ
て答えてはいけない」と約束しましょう。答が合っていても、得点にはならな
いからです。当然のことですが、入学試験で数字を使って答えては、絶対に合
格しません。設問のどこにも、数字で答えなさいとの指示はないからです。新
しいことを覚えると、つい、使いたくなるものです。ここで、きちんと押さえ
ておきましょう。
次の遊びは、お母さんが教材を作ります。
トランプより少し大きい長四角のカードを20枚(1から10まで各2枚ずつ)
作り、ハートやスペードの代わりに●で表します。
トランプに慣れていますから、最初はマークと同じ配置にしましょう。
慣れてきたら、市販されている問題集などを参考に、オリジナルカードを作っ
てあげましょう。
市販されているシールを貼って作ると、きれいなカードができます。
最初のゲームは、直感で見分けた「多少の違い」をやってみましょう。
今度は数字がありませんから、直感が頼りです。
きちんと見分けられれば、「いくつ違うか」のゲームに挑戦しましょう。
今度は、トランプより大きいですから、答えも出しやすいと思います。
それもできるようになれば、4枚並べ、直感で「一番多いものと、一番少ない
もの」を当てるゲームに進みますが、お母さんが意図的にカードの配置をした
方がいいと思います。
[1・2・3・4][1・10・5・8]のように、[1と10]が入ったも
のばかりでは、緊張感に欠けるからです。カードをうまくアレンジしてあげま
しょう。
市販されている「数量の問題集」などを参考にされるのもいいですが、難易度
を考えて選んでください。
慣れてきましたら、「二番目に多いものと、二番目に少ないもの」に挑戦して
みましょう。
やり方は「一番多いものを見つけ、それより少ないものが二番目」になり、
「一番少ないものを見つけ、それより多いものが二番目に少ないもの」になり
ます。
最初は戸惑うかもしれませんが、あくまでもゲーム感覚で、楽しみながらやっ
てください。
幼児の場合は、何事においても誕生日、生まれ月を考慮する必要があります。
衣服の着脱、歯磨き洗顔などの基本的な生活習慣はもちろんのこと、こういっ
た遊びを通した知的なトレーニングにも、十分に注意してほしいと思います。
「隣のケンちゃんができるのに、なぜ、うちの子はできないのかしら」
と思う前に、必ず、生まれ月を考えましょう。
早生まれのお子さんには、無理をしないように気をつけてください。
「できなくても、できるまで待ってあげる」、この気持ちが大切です。
お子さんのおむつを外すとき、お母さん方はどうしましたか。
粗相をしても、叱り飛ばさなかったはずです。
その心は、「まだ、できないから待ってあげる」であり、その心は「今に、必
ずできる」ではなかったでしょうか。
待ってくれたから、お子さんは期待に応えたのです。
知的な能力の開発も、同じです。
いや、知的なことだけに慎重な対応が必要なのです。
できなくても、あせる必要はありません。
幼児は、体験を積んでいないからできない場合が多く、決して能力だけに問題
があるわけではありません。
いろいろと体験させ、待ってあげましょう。
待ってあげるお母さんのやさしい心が、必ず、できるように導くからです。
待ってあげるやさしい思いやりから、頑張る意欲は育ってきます。
お子さんの、今ある姿を見て、自信を持ちましょう。
こういった遊びで、十分に数感を養ってから、○を使った数の多少、和(合わ
せていくつ)、差(いくつ違うか)、対応(いくつ必要か)、分割(分けると
いくつ)といった問題に進むのが、幼児にふさわしい算数の学習であることを、
ご理解いただけたのではないでしょうか。
ゆっくり、じっくり、しっかりと、ゲーム感覚で楽しんでください。
最後に、トランプの絵札は、普通、11はJ、12はQ、13はKとアルファ
ベットで表されています。
Kはキングで王さま、Qはクイーンで王女さまの頭文字であることはわかりま
すが、Jは何を表しているのでしょうか。
これは、「ジャック」という名前の頭文字からとったものだそうです。
ジャックとは、イギリスではありふれた名前の代名詞で、日本では「太郎」に
あたると考えればわかりやすいでしょう。
よくある名前を付けることで、名もない一兵士を象徴させているそうです。
騎士道の精神ではないでしょうか。
そういえば、中学一年で習い始めた英語のテキストは、「JACK AND
BETTY」だと記憶していますが、ベティーは「花子」にあたるとすれば、
「太郎と花子」になるわけですね。
フルネームは、JACK JONESとBETTY SMITHでしたから、
JONESとSMITHは、鈴木さんや小林さんになるかどうかは、定かでは
ありません(笑)。
猛暑から一転して涼しい毎日、体調を崩さないように注意してあげましょう。
(次回は、「第二の脳を鍛えましょう1」についてお話しましょう)